「芸術は長く、人生は短し」
- 西村 正
- 2020年8月4日
- 読了時間: 2分
一回は収まったかに見えたコロナウイルス感染者の数が最近また増えてきた。高齢者にとっては生死に関わる深刻な脅威である。私ももうすぐ68歳になろうとしているが、自分は元より家族のことを考えれば迂闊に身勝手な行動はできないことが頭から離れない日々を送っている。
さて、本日8月4日は西村俊郎生誕111年に当たる。今年は没後20年でもある。私の叔父・西村俊郎は1909(明治42)年に小樽で生まれ、2000(平成12)年に横浜で亡くなった。こう見ると、その90年の生涯は20世紀の歴史そのものであると言えようが、いくら長生きしたとは言え「芸術は長く、人生は短し」である。本人は、まだまだやりたかったことがあったに違いない。それは叔父が書き残したエッセイからも伺える。しかし叔父の作品の多くが今も私たち遺族の元に残されているということは、よく考えてみれば幸いなことなのかもしれない。問題は私たち遺族がこれからも叔父の作品を守り続けていけるか、ということだ。たとい故人の遺志を継ぐ意義を理解していたとしても、私にとっても、いや私たち遺族にとっても「人生は短し」なのである。
2年前の夏にオープンしたこのウェブサイト「洋画家・西村俊郎ウェブギャラリー」も3年目に入った。初めは知人への紹介からスタートしたが、お蔭様で新規訪問者は日々少しずつ増え続けており、それに合わせてリピーターも増えていることが私たちの励みとなっている。絵画作品の管理・紹介・普及という事業には乗り終えて行かねばならない課題が山積していると言わざるを得ない今日の状況ではあるが、遺族の務めとしても一歩一歩あゆみ続けていきたいと思う。 (2020.8.4)
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