インタビュー

久しぶりに「インタビュー」を受けた。いや、ひょっとすると初めてだったかもしれない。誤解を招かないように言っておくと、ここで言うインタビューとは取材のことである。それも、美術雑誌に依頼した記事を書いてもらうための取材。
ところで、人から話を引き出すのがうまい人というのは確かにいるものである。気が付くとアッという間に時間が経ち、どうも私は余計なことを喋り過ぎたような気がしてきて、少し心配になってきたくらいであった。なぜだろう? 楽しかったからかな? いや。良かったがどうかは、出来上がった記事を見るまでは分からないのだから楽しみに(あるいは心配しながら)待つほかあるまい。
そんな思いを巡らしていると、いつしか私は自分の過去の、様々な会話の場面を思い出していた。もちろん対話(ダイアローグ)は二人の間に成り立つものであるが、周りに第三者が誰もいない場合と一人いる場合、さらにもっとたくさんいる場合とでは話し手の精神状態がまるで違う。第三者の発言が加わってくると話の展開は予期せぬものになる。逆に第三者が誰もおらず相手が一人だけの場合は、よほど自制心を働かせないと、場合によっては非常に危険な展開になることもありそうだ。会話とは複雑なものである。たとえ発言者が二人だけの時であっても、二人の会話が聞こえる範囲にいる人のことを常に意識しながら発言しないと、その場が思わぬ展開になることがあるかもしれない。対話とは本来、怖さを秘めたものなのだ。そのことを知りつつも、楽しむことができたらと思う。 (2026.9.22)
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