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写真、ワープロ、インターネット

  • 執筆者の写真: 西村 正
    西村 正
  • 2020年12月1日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年12月2日


 考えてみれば、私が叔父・西村俊郎の”ウェブギャラリー”などというものを作ることができたのは、叔父がフランスから最終的に帰国して横浜で再び一緒に住むようになって、多くの作品が我が家に運び込まれてきたことによります。世田谷の家を取り壊してから3年2か月の間、叔父の作品はすべて業者の倉庫に預けられていたのです。世田谷にいる頃の私は叔父の展覧会等に深く関わることはありませんでした。しかし80歳を超えた叔父とまた一緒に住むようになってからは、マネージメントの面でできるだけ手伝っていこうと決心しました。私が最初にしたことは、家に運び込まれた作品をすべて写真に撮ることでした。当時の私はまだ写真撮影にあまり詳しくなかったので、随分友人たちのお世話になりました。当時はフィルムからデジタルへの移行期に入っていたのですが、まだフィルムへの信頼度が高かったので撮影はすべてフィルムで行ないました。週末を利用するなどしても2年くらいかかったように記憶しています。その大量のネガフィルムを後にすべてデジタルに変換しておいたことが、ウェブギャラリー構想の出発点になったのです。

 今はもうパソコンなしには仕事ができないような世の中になってしまいましたが、デジタル化の流れの中で私が最初に魅了されたものはワープロでした。もう四半世紀も前の話です。当時はMS-DOSパソコンよりもワープロ専用機のほうが圧倒的に使いやすかったし、私はワープロ以外の機能には興味を惹かれませんでした。私や私より上の世代は「活字の権威に弱い」人が少なくなかったように思います。キーボード入力で「漢字かな混じり文」が容易に作れるようになったことは日本語作文において、まさに革命的と言える出来事でした。今ではワープロソフトの精度は飛躍的に向上し、写真のデジタル化と、さらにはインターネットの発達によって、一台のパソコンでそれらすべての作業ができるようになったのです。”ウェブギャラリー”は、これら三つの技術の統合の上に成り立っていると言えるでしょう。ありがたいことです。生前の叔父には想像もできなかったことでしょう。しかし、”ウェブギャラリー”はあくまでもバーチャルなものであるということは言うまでもありません。それでもリアルな世界で多くのかたがたに叔父の作品を知ってもらえる一歩となることを私は願って已みません。(2020.12.1

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