「私の愛する一点展」@ 梅野記念絵画館(長野県東御市)
- 西村 正
- 2019年5月7日
- 読了時間: 1分
梅野記念絵画館にはもう四五回行ったことがあったと思うが、「私の愛する一点展」という企画展が開かれていたことは知らなかった。今年で19回目を迎える同展に、私は初めて叔父の絵を出してみることにした。しかし「私の愛する一点」となると、どの作品を選ぶべきか? ずいぶん考えた末、やっぱりこの絵しかないと思い至ったのは「代表作20選」の最後にある「榮子像」(F50号)だった。

この絵は西村俊郎が妻・榮子をモデルにして描いた1955年頃の作品である。この作品は、私が手伝った1996年の大丸展にも1997年の相鉄ギャラリー展にも出していないし、それ以前にいくつかのデパートの美術画廊で開かれた個展にも出していない。そもそも「売り絵」を想定して描いたものではなく、公募展に出品するために描かれたものと思われる。しかしこの絵がどのような評価を受けたのか定かではないし、叔父がこの絵について語るのを聞いたこともない。ただ言えるのは、この作品あたりを最後にして西村俊郎は人物画から風景画に転じていったということだけである。
今回、実に60数年ぶりに鑑賞者の前に姿を現すことになったこの作品を、私も会場で一鑑賞者として眺めてみたいと思っている。(2019.5.7)
●梅野記念絵画館 「私の愛する一点展」 2019年 7/2(火) ~ 9/23(月)
アクセス等については → http://www.umenokinen.com
留言