ミニ・ギャラリー(第8回):雪景色
- 西村 正
- 2021年3月8日
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西村俊郎「(タイトル不詳)」(F10号)
この絵はどこで描いたものだろうか。西村俊郎の風景画は一目で何を描いたか判るものが多いように思う。それは、よく知られた観光地や比較的行きやすい場所で描いたものが多いからだと考えられるが中にはこの絵のように、どこかよく判らないような何の変哲もない場所を描いた作品がある。
西村俊郎が永く住んだ東京を含む南関東は、おそらく日本で最も雪が降らない地域の一つであろう。それは北と西に山地があって山に囲まれているためだが、ちょっと山のほうへ向かえば雪景色を見ることができる。彼は雪のある富士山を好んで描いたので、富士五湖方面には雪のある季節に行くことが多かったはずである。私は、この絵はどこかの川を描いたものだと長い間思ってきたのだが、そのように考えてみると冬の富士を描きに行った旅路で描いたものだと思えなくもない。だとすればこの場所は川ではなく河口湖の町はずれあたりか。時代も移り変わって、この場所を特定することは難しいかもしれないが、もしわかる方がいらっしゃったら、ぜひ教えていただきたいと思っている。 (2021.3.8)
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