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気になる画家・宇野マサシ---『ぼくの旅』、「画集」より

  • 執筆者の写真: 西村 正
    西村 正
  • 2022年3月8日
  • 読了時間: 2分

 私が宇野マサシ(1948年、愛知県豊田市生まれ)という画家を知ったのは実はもう何年も前のことである。偶然のことからインターネット上で宇野さんのエッセイと、そのエッセイに添えられた油絵に出会ったことがきっかけであった。その量は相当なもので、私はそのほとんどをインターネット上で読ませてもらった。その時は確か「僕の風景」というタイトルだったように記憶しているが今はもう閲覧できない。替わりにそれらの多くは『ぼくの旅-—放浪と人と絵と--』というハードカバーの本になって出版されている。私はその本も入手して読んでみたが、インターネット上で長期に渡って少しずつ読んだ時とはまた違った印象を受けた。


※作品の写真は全て『宇野マサシ画集』(1995年発行)から接写させていただきました。


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「千住大橋から」(1984年、油彩・板 10F)


← 「シャモ」(1971年、油彩・キャンバス50P)


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← 「町屋風景」(1993年、油彩・キャンバス 15F)

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                「薄日の川(荒川)」(1993年、油彩・キャンバス 12F)


 私が画家・宇野マサシに心惹かれるのは、エッセイを読んで感じるところがあったということにもよるが、特にその風景画に感じる不思議な「懐かしさ」によるところが大きい。私は学生時代に、同じ東京でも自分が生まれ育った山の手とはかなり雰囲気の異なる、隅田川や荒川に近い街で、しばらく独り暮らしをしたことがあった。私が感じる懐かしさは、その頃の記憶が呼び起こされるからなのだろう。また、私にはとても真似できそうもないからか、彼のエッセイを前にすると、この画家の少しもカッコつけるところがない生き方に思わず感心してしまう自分がいる。ただし、その全てに共感できるわけではないのだが。

 インターネット上では観たはずなのに『ぼくの旅』に載っていない絵を観たくて、私は『宇野マサシ画集』を古書で探して買った。この画集には32点の作品写真の他に「日本の風景を」と題する、画家とこの画集の編集者でもある高橋睦郎(ムツオ)氏との24ページに渡る対談が載っている。ここで全てを紹介できないのが残念だが、著名な誰かの推薦文などより遥かに説得力が感じられる対談であると感じた。この中で私が一番印象的だったのは、二人に共通する「日本の油絵は高橋由一を超えていない」という認識である。西村俊郎のエッセイと併せて考えていきたいテーマであると思う。 (2022.3.8


※今年になってまた、新しい「宇野マサシ画集」が発行されたようなので手に入れたいと思っている。




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