西村俊郎の制作現場(3):銚子・佐原
- 西村 正

- 2019年1月26日
- 読了時間: 2分
更新日:2019年2月10日
前回2回はパリでしたが、今回からは日本の「制作現場」を訪ねてみたいと思います。
私は長年バイクツーリングを愛好していましたので、千葉県の外房から銚子や佐原にかけての一帯は何回も訪ねたことがありましたが、いずれも夏のことでした。今回初めて冬にクルマで行ってみました。


西村俊郎「犬吠埼」(F6号) 外川から犬吠埼を望む
この写真は、おそらく叔父が「犬吠埼」を描いたと思われる場所から撮ったものです。広角レンズで撮ったことを考慮しても、灯台のある犬吠埼はこのように遥か遠くに見えます。つまり作品の構図というものは必ずしも「見えたとおり」ではないのです。ちなみに刑部人が「銚子海岸」を描いたと思われる外川の屏風ヶ浦を訪ねてみると、作品と写真の違いはこんな具合でした。【刑部人作品の写真は『刑部人展 昭和日本紀行』(2004年、栃木県立美術館発行)から使わせていただきました。】


刑部人「銚子海岸」(F15号) 「東洋のドーバー」と呼ばれる屏風ヶ浦
翌日は佐原を訪ねました。「水郷」の名で呼ばれる土地は日本に何ヵ所かありますが、ここでいう「水郷」は千葉県佐原から茨城県潮来にかけての一帯です。今回は潮来までは行かれませんでした。

西村俊郎「水郷佐原の町並み」(F3号)


バイクで佐原を訪ねたのは30年近く前でしたが、その時は女の船頭さんを何人も見かけました。訊いてみると今はお祭りのとき以外はこのような光景は見られないとのことでした。右の写真は観光ポスターの一部です。
江戸時代、佐原は江戸への水運の拠点として栄えました。日本地図を作ったことで有名な伊能忠敬の旧宅や記念館もあり、「小江戸」の風情を残しています。 (2019.1.26)



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